きみが心に棲みついた1話は初回とは思えないほど、衝撃映像満載でした。
小川今日子(吉岡里帆)のもはや奇行レベルの言動や、今日子の髪をハサミで切り刻む星名漣(向井理)、さらには今日子の校内ストリップショー・・・。
ラブストーリーと言うには闇が深すぎて、戸惑った人も多かったと思います。
今日子と星名の異常な関係がクローズアップされる一方で、登場人物それぞれが抱えている悩みや弱さ、そしてずるさなど、人間本来の感情が赤裸々に描かれている部分もありました。
星名の呪縛から逃れられない今日子、そして、今日子を貶め、傷つけることでしか精神のバランスを保てない星名。強くて自信満々に見えるけれど、元カノの才能に劣等感を感じ、陰ではつい「僕なんか・・・」と言ってしまう吉崎幸次郎(桐谷健太)。本当は離
れたいけど、自分の才能を認めてくれている唯一の女性・成川映美(中村アン)に今も依存していて、今日子と同じように連絡を断ち切れないでいます。
そして、吉崎が担当している漫画家の鈴木次郎(ムロツヨシ)は、自分の汚点を堂々と暴露する自虐キャラです。
さらに、粉飾決算の弱みを握られ、星名の言いなりになる白崎課長(長谷川朝晴)と、上司にたてつくことができない堀田麻衣子(瀬戸朝香)。今日子との関係を知りつつも、星名の策略に乗り、今日子を出し抜こうとする飯田彩香(石橋杏奈)。
今日子の行く手を阻む問題は、今後さらに増えそうな予感しかありません。
今日子×吉崎×星名の三角関係に、飯田と映美が絡んできて、さらに人間関係が複雑化していくと思われます。
今日子は星名の妨害にめげず、星名から卒業することができるのか、新たな敵・八木泉(鈴木紗里奈)の信頼を勝ち取ることができるのか、星名のさらに黒い過去が明らかになるのかなど、まだまだ期待を煽る要素が満載です。
今回は、ストーリーの軸となる、今日子と星名の関係性について分析してみたいと思い
ます。
今日子は恋の奴隷!?星名の温厚と狂気の狭間
今日子と出会った頃の星名は、とても温厚で、魅力的な男性でした。
幼い頃から家族や友人に恵まれなかった今日子に対し、
「だって、君他に話せる人いないよね?俺くらいしか」
「俺は逃げないよ」
と、今日子の心を一気に自分に引き寄せます。
さらに、今日子が母親との確執を口にした時には、”母親が唯一自分にしてくれたお守りのようなもの”という三つ編みをほどき、代わりに今日子が首に巻いていたストールをねじり始めます。
戸惑う今日子でしたが、ダメ押しのように
「嫌われたっていいじゃん。頑張る必要はない。キョドコはそのまま、ありのままの自分
でいいんだよ」
と言います。
初めて等身大の自分を認め、受け入れてくれた星名に、今日子はどんどん惹かれていったと思います。
ですが、これこそが星名の狙いでした。
ふいに今日子の前で泣きじゃくり、「俺だけのために生きてくれよ」と弱みを見せ、「あなたのためだけに生きます」と今日子を縛ることに成功します。
そして、ここから徐々に星名の暴走が始まります。
「お前、俺のためなら何でもできるって言ったよな?だったら見せてよ。キョドコの本気」
「もしやってくれたら、他の女全部切ってもいいよ」
と巧みに今日子を誘導し、他の男子学生の前で全裸にさせます。
星名を自分だけのものにできると、屈辱にも必死に耐えた今日子に対し、星名は
「汚い手で触んな!人前で簡単に脱ぐような女と付き合うほど、バカじゃねえよ」
と冷たく突き放します。
このことを後に同級生と笑い話のように語り合っていたことから、星名には当時も今も今日子に対して、全く罪悪感を感じていないようです。
星名の狂気じみた暴走は、今日子の精神だけでなく、肉体的にもダメージを与えます。
サークルの部室で今日子の髪をハサミで切り刻み、「キョドコに俺の何がわかるって?
わかんねえよ、何も」と凄み、今日子の目の前にハサミを突き立てます。
これだけでも星名の極悪非道ぶりがわかると思いますが、彼は今日子との接触を絶った後も、定期的に今日子の携帯に非通知で電話をかけ続けます。
今日子は電話に応答することはありませんが、拒否することもできず、ねじねじを未だにお守りとして身に着けています。
かなり屈折してはいますが、お互いにまだどこかで繋がっていたいという、相手に執着する気持ちがあるような気がします。
そして、それはふたりが再会してからも続きます。
星名の裏表のある言動は、一見ツンデレのように見えますが、吉崎ほど生易しいものではないので、狂気という印象を与えてしまうのかもしれません。
『君が心に棲みついた』、向井理さんのサイコパスみいい感じで今後が楽しみです。個人的に向井理さんは「爽やかに腹が黒そう」という偏見があるので「ぴったりだな」と偏見を強めています。
— ぱぷりこ『妖怪女子ウォッチ』発売中 (@papupapuriko) January 17, 2018
君が心に棲みついた、共依存って言葉がぴったりだよな。
— みゆ@草組4期生 (@lemonade870) January 19, 2018
https://twitter.com/shijimi0926/status/954165979566637057
君が心に棲みついた
やっと観た。
なんか過去の自分のような。
あんなひどくないけど。
あんなキラキラしてないけど。
他人に支配されると無気力に
なるよ。新しい出会いも怖くて
切ってしまう。
そんな黒歴史を乗り越えたおかげで今は平和でいられる。— サオ (@Sao74117) January 18, 2018
https://twitter.com/remonedotaisa/status/953978349398863877
「君が心に棲みついた」実写化ドラマ化のニュースで原作漫画読んで見たけれどヤバイ。星名漣役が向井理で「暗黒イメージついちゃうけど大丈夫なん???」と心配になるけれど向井理の爽やかハンサムfaceと漣の超性格が相乗効果で合いすぎて100倍ヤバイ。きっとドラマは毎週しんどい。
— ちくわ (@bnnRepeat637) December 11, 2017
全く萌えない星名の王道的イケメン行動
今日子と再会した星名は、王道のイケメン言動で彼女に迫ります。
・閉まりかけたエレベーターの扉をこじ開け、滑り込む
・「俺のこと、今も好きだとか?」
・突然背後から抱きしめる
・「お前、本気で俺から離れられると思ってんの?」
・「本当は俺のこと忘れてなかったんだろ」
普通の恋愛漫画やドラマなら、主人公がイケメンにキュンとするシーンのはずですが、今日子には全く響きません。
むしろ、恐怖を与えて逆効果になっているように見えます。
このアプローチが失敗したためか、星名は一気に態度を変えてしまいます。
内線でいきなり「携帯変えた?」と言ったり、社内で待ち伏せしたり、威圧的な態度で凄んだり、とどめに「まともにお前なんかの相手をするやつはいない。
お前がどんなに欲しがってもな」と、呪いの言葉を浴びせかけます。
そして、今度は飯田に狙いを定め、「飯田さんが頑張り過ぎないように、心配で言っただけで」と、今日子の前でとびっきりの笑顔で思わせぶりな態度を取ります。
今日子を昔のようにうまくコントロールできず、若干迷走しているようにも見えますが、この殺し文句は飯田の心を捕らえ、今日子の心も多少ざわついた感じがあるので、少しは効果があったのかもしれません。
事情を知らない人には、やはり星名は王道のイケメンだと認識されるので、性格次第でこうも人の印象って変わってしまうのかと、ちょっと怖くなりました。
星名はサイコパス?
星名を一言で表現すると”サイコパス”だと言う声が多いですが、実際どうなのか、最近よく耳にするサイコパスという言葉について調べてみました。
サイコパスとは
サイコパス(psychopath)とは、反社会的人格の一種で、精神病質という意味の医学用語であるサイコパシー(psychopathy)の傾向を持つ人のことを指します。
ですが、サイコパスは精神病ではなく、ほとんどの人が通常の社会生活を送っているため、日本では”反社会性パーソナリティ障害”と呼ばれています。
サイコパスには、以下のような特徴があります。
・良心が異常に欠如している
・他者に冷淡で共感しない
・慢性的に平然と嘘をつく
・行動に対する責任が全く取れない
・罪悪感が皆無
・自尊心が過大で、自己中心的
・口が達者で、表面は魅力的
この特徴を見ていると、確かに星名に当てはまる部分は多いと思われます。
さらに、サイコパスが成立するためには、”三脚スツール”という3つの要因があります。
前頭前野から扁桃体へつながる機能の低下、MAO-A遺伝子などいくつかの遺伝要因、幼少期の身体的・精神的虐待がその内容ですが、星名の場合、子供の頃父親に虐待されていたという過去があるので、3つ目の要因が原因と思われます。
今日子との関係性と言う視点で、サイコパスの特徴をさらに詳しく見ていきます。
- 一般的に、サイコパスは本当の意味で他者と心を通じ合わせるのが難しい。その代わり、
自分の利益になるように人を巧みに操り、表面的な関係を構築する。 - 口では愛してると言いながら、その愛情は底が浅く、長続きせず、ぞっとするほどの
冷たさを感じさせる。 - サイコパスにとって、人は単なるチェスの駒のようなもので、あくまでも自分の目的の
ために利用する存在でしかない。 - 相手に感情移入することはなく、パートナーに心から興味を抱いて感情的絆を結ぶこと
はない。 - サイコパスは、いかに自分の言動が人を傷つけようとも、一切罪悪感を覚えることがない。
- サイコパスが犯罪を犯す時は、自分のリスクを最小限に抑え、露見しないよう綿密に計画
した上で実行する傾向がある。 - サイコパスにとって、結婚相手に価値があるとすれば、それは所有物としての価値で、彼
らは失うことに腹を立てるが、悲しんだり、責任を感じたりすることはない。
これを星名に当てはめてみると、彼の不可解な言動が少しは理解できると思います。
彼の全ては、今日子が星名に再会した時に発した「そうやって優しいふりして近づいて、信用させたところで突き落とすつもりなんでしょ」という台詞に象徴されていると思います。
優しい言葉をかけて、今日子の心を自分に向けさせ、いいように弄ぶ。
そして、非通知電話という無言の圧力で、自分の存在をアピールし続け、彼女が抵抗すると逆上してしまう。
そして、あの手この手で今日子を陥れようとし、「人は変われない、一生。お前はお前から逃げられない」と呪いの言葉を浴びせ続ける・・・。
今日子にとっては地獄のような日々だと思いますが、これがサイコパスの影響力の怖いところです。
「サイコパスと関わった人間は、サイコパスと同じ視点で世の中を見るほどに変わってしまう」という見解を持つ専門家もいるくらいで、今日子が星名の呪縛からなかなか抜け出せないのも、ある意味必然的なのかもしれません。
君が心に棲みついたの向井理こわすぎ w w w w w w w w ドSでキュンキュンするかなと思ってたのにただのサイコパスでわろた w w w w w w
— ❤︎ おかきちゃ ❤︎ (@KCchan25) January 16, 2018
今回は、主に今日子と星名の因縁について描かれていたと思います。
過去と現在を絶妙にリンクさせることで、今日子のトラウマが痛いくらいリアルに浮き彫りになっていました。
そして、吉崎とのやり取りを極端なくらいピュアに描くことで、吉崎と星名それぞれの立ち位置もよく理解できたと思います。
今はまだみんな表面的な部分しか描かれていないので、これからさらにドロドロした三角関係になっていくかもしれません。
仕事での紆余曲折も含め、今日子にはまだまだ試練が待っていると思いますが、星名との決別を目指して奮闘する、彼女の今後の成長にも期待したいと思います。