幕末に島津家の跡取りをめぐり、薩摩藩が二分したお家騒動が起こりました。
正室の子で嫡男の斉彬を擁立する派閥と、側室 お由羅の子 久光を擁立する派閥との対立で「お由羅騒動」とか「高崎崩れ」と言われています。
騒動の名前にもなった島津斉興の側室「お由羅」。
西郷どんでは小柳ルミ子さんが演じていますが、
もし近くにいたとしたら絶対関わりたくないな〜と思うような、怖い由羅を演じられています。

ドラマ西郷どんで西郷吉二郎(鈴木亮平さん)は、「あの妾〜〜、絶対に許さん!」と、怒りを爆発させていました。
本当に憎くて憎くて仕方ないって感じでしたね。
そんな憎まれ女お由羅とは一体どんな女性だったのでしょう。
ドラマで描かれているような嫌〜な女だったのでしょうか…?
#小柳ルミ子
『#西郷どん』第3話、#お由羅の方 ・小柳ルミ子の #怪演 に恐怖
「いい呪いかけそう」 pic.twitter.com/P7f21GMSzl— キャプテンふくやま (@TUYOPON44776557) January 22, 2018
お由羅プロフィール
- 名前 由羅(遊羅)
- 生没 1795年(寛政7年)〜1866年(慶応2年)12月4日
- 夫 島津斉興
- 子 智姫(夭折)、久光、唯七郎(夭折)
父 岡田利武
兄 岡田小藤次
岡田利武の養女とされており岡田姓を名乗りました。
出生については、江戸の大工 工藤左衛門の娘、八百屋の娘、船宿の娘など、様々な説があります。
超 玉の輿!江戸の町娘が藩主の妻に。
お由羅は江戸の町人でした。
そんなお由羅は江戸の薩摩藩邸で奉公していた際に、島津斉興に見染められ側室になったそうです。
お由羅は1795年生まれ、斉興は1791年生まれなので同年代。
若い娘にうつつを抜かしてといった感じでもなさそうです。
斉興はお由羅を普段は薩摩に住まわせ、参勤交代の際には江戸に連れて行ったそうです。斉興がお由羅を寵愛していたのは確かなようですね。
ちなみに、斉興の正室の弥姫(いよひめ、嫁いだ後は周子(かねこ))は江戸の薩摩藩邸に住んでいました。
弥姫は斉彬の母で、32歳という若さで亡くなっています。
弥姫が亡くなると、お由羅と久光は斉興の息子と妻の中で唯一生きている母子となります。
お由羅は後室にこそなれなかったものの「御国御前」と呼ばれ、実質正室扱いをされていたといいます。
お由羅の方は悪女なのか?
正室の弥姫が亡くなると、お由羅の方は自分の息子である久光を島津家の後継ぎにしたいと考えるようになり、お家騒動の引き金となった…。
また、お世継ぎになり得る斉彬の息子たちに呪いをかけた…。
と、語られる事が多いです。
実際、斉彬の息子たちは次々と死亡しており、斉彬自身も突然亡くなってはいます。
しかし、呪いで亡くなることはないでしょうし、かといって、こんなに次々と男児ばかりが亡くなるのも不自然です。
また、「斉彬擁立派」対「久光擁立派」が争うお家騒動(お由羅騒動)を起こすきっかけをつくったとされます。
しかし、騒動鎮静後に当主となったのは斉彬ですが、お由羅や久光は何のお咎めも受けていません。
なぜ、2人は何のお咎めも受けなかったのでしょうか。
実際、斉彬と久光の仲は悪くなかったようです。
幕末〜明治維新の薩摩の歴史を語られる時、英雄とされる西郷隆盛、島津斉彬側から語られることが多く、斉彬の対抗勢力であるとされ西郷隆盛と反りの合わなかった島津久光は「邪魔者、ダメな権力者」として、お由羅は悪女として語られることが多いです。
歴史の記録は中立で書かれている訳ではないいですし、英雄は真実以上に美化される傾向があり、人気者の西郷隆盛と対立するお由羅側は断然不利といえます。
ただ、斉興と斉彬の不仲は確かなようで、斉興は嫡男である斉彬でなく、五男の久光に家督を譲ろうとしていましたし、斉興が斉彬について悪口を書いた手紙が残っています。
また、斉彬の急死は斉興による毒殺とも言われています。
そして、斉彬の死後、斉彬派の西郷隆盛らを粛清したり、集成館事業を一時廃止したりしています。
あれ?何だか斉興が1番嫌なヤツかも…。
西郷どん
薩摩藩第27代藩主・島津斉興役
鈴木亮平、瑛太、錦戸亮、黒木華、高梨臨、渡部豪太、平田満、風間杜夫、北川景子、青木崇高、竜雷太、佐野史郎、高橋光臣、北村有起哉、ミムラ、沢村一輝、又吉直樹、伊武雅刀、二階堂ふみ、藤木直人、松坂慶子、小柳ルミ子、鹿賀丈史、渡辺謙ほか pic.twitter.com/hq7XrUrrMD
— カガニスト (@kaganist123) January 14, 2018
まとめ
- 江戸の普通の町娘が藩主に見染められ超玉の輿。
- しかも「護国御膳」と呼ばれ正室並みの待遇を受けました。
- 自分の子供である久光を当主にする為に斉彬側と対立、更に斉彬の子息に呪いをかけた恐ろしい女として扱われることが多いが、騒動後、久光共々お咎めを受けることはなかったことから、お由羅騒動は実は周りが勝手に起こしただけで、お由羅には関係とされる説もある。
- 西郷隆盛が英雄扱いされているので、隆盛と超仲の悪かった島津久光側のお由羅の方は悪女にされる事が多い。
- 昭和天皇に嫁いだ香淳皇后は玄孫である。