あなたには帰る家がある|原作は山本文緒の小説 評判は? 夫婦の心の闇が深すぎる!

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「あなたには帰る家がある」は、4月13日スタートのTBSの新ドラマです。

原作は1994年に出版された山本文緒さんの恋愛小説で、2003年12月にBSフジで主演・斉藤由貴さんで一度
実写化された実績があり、2017年6月には舞台化もされていた人気作品です。

夫婦間の感情のすれ違いを描きながら、幸福な家庭とはどのようなものか、そして、結婚そのものの意味を読者に問いかけるストーリーになっていて、そこには山本さんの実体験が織り交ぜられているのではないかと言われています。

主人公の専業主婦・真弓を演じるのが中谷美紀さん、真弓の夫で家事には非協力的なダメ夫・秀明を演じる玉木宏さん、秀明と不倫関係に陥る人妻・綾子を木村多江さん、モラハラ+トラブルメーカーというやっかいな気質の綾子の夫・太郎をユースケ・サンタマリアさんが演じます。このメンツを見る限り、絶妙なキャスティングという感じがします。

ダメ夫の玉木さんと言えば、2015年に放送された「残念な夫。」の陽一を思い出す人も多いと思いますが、この時に共演していた笛木優子さんや高橋メアリージュンさんが今作でも出演されるみたいなので、ストーリー面でも多少共通点があるのかもしれません。

他にも「小さな巨人」で存在感を発揮していた笑福亭鶴瓶さんの息子の駿河太郎さん、小悪魔のイメージが強いトリンドル玲奈さん、演技力は未知数のFUJIWARAの藤本敏史さんなど、豪華キャストも気になるところですが、ドラマ化するにあたって、多少設定も変更されているようです。

今回は原作との違いと、原作者の山本文緒さんに注目してみたいと思います。

「あなたには帰る家がある」原作との違い

今回のドラマと原作ではいくつか設定に変更があります。

主要キャラの年齢

真弓:28歳→41歳
秀明:26歳→39歳
太郎:33歳→47歳
綾子:??→43歳
麗奈(真弓と秀明の娘):2歳→中学生

この年齢の差によって、真弓と秀明の結婚生活は原作では2年目でしたが、今回は13年目という設定に変わっています。

真弓の前職

商社勤務→旅行代理店勤務

原作では、専業主婦という立場に嫌気がさした真弓が、保険会社のセールスレディとして社会復帰するという設定でしたが、今回は娘の教育費や生活費を稼ぐために、元同僚に誘われて前職の旅行代理店に職場復帰するという流れになっています。

さらに、原作では給料で勝ったほうがフルタイムで働き、負けたほうが家事を引き受けるというゲーム感覚で、秀明が真弓が働きに出ることを快諾したのに対し、今回は秀明が猛反対し、それに反発するように職場復帰を決めるといういきさつがあります。

20代とアラフォー世代では夫婦間の問題も違ってくるだろうし、すんなり再就職というわけにもいかないので、元職場に復帰するという設定になったと思われます。

でも、真弓には10年以上のブランクがあって、世間の変化についていけず、おいてけぼり感が満載なところは、妙にリアルだと思います。

ストーリーの大まかな流れは変わらないようですが、真弓の職業が変わっているので、原作では太郎に保険の勧誘をするという出会いのきっかけは変わると思われます。

原作は、二組の夫婦がそれぞれ知らないところで深いつながりを持ち、それを知って泥沼化していくという、ちょっと怖い展開になっていくようですが、今回は夫婦のあるあるネタを視聴者のアンケートをもとにコミカルに描くというコンセプトらしいので、秀明と綾子が不倫関係に発展するという以外は明かされていないし、展開は若干ソフトになるのかもしれません。

「あなたには帰る家がある」原作者・山本文緒の評判は?

原作者の山本文緒さんは、元OLという異色の経歴を持つ少女小説家です。

大学時代は落語研究会に所属していて、大学卒業後は企業に就職しましたが、1987年に『プレミアム・プールの日々』でコバルト・ノベル大賞の佳作を受賞したことをきっかけに退職し、少女小説家としてデビューしました。

それとほぼ同時期に結婚されました。

ジュニア小説のジャンルで活躍していましたが、徐々に市場が縮小し、仕事数も減っていきました。

それと同時に結婚生活も破綻し、1991年に離婚。

その後、1992年の『パイナップルの彼方』を皮切りに一般小説へ転向しました。

その後は、割り切れない人間の心理を巧みに描く恋愛小説を多数発表していましたが、1994年に発表した『あなたには帰る家がある』が売れなかったら再就職するつもりだったそうです。

2002年に再婚し、2003年に鬱病を発症して執筆活動を中止していましたが、6年間の闘病生活の後、その過程を描いたエッセイ『再婚生活』で復帰されました。

ちなみに、小説の復帰作は2008年の『アカペラ』です。

山本文緒さんプロフィール

■ペンネーム 山本文緒(やまもとふみお)

■生年月日 1962年11月13日(現在55歳)

■出身地 神奈川県横浜市

■デビュー作『プレミアム・プールの日々』

■受賞歴 1999年 第20回吉川英治文学新人賞受賞 『恋愛中毒』
2001年 第124回直木賞受賞 『プラナリア』

今作以外にも、映像化されている作品も多数あります。

  • 「パイナップルの彼方へ」(原題はパイナップルの彼方) 1992年9月11日 フジテレビ
    主演:富田靖子

 

  • 「恋愛中毒」2000年1月~3月 テレビ朝日 主演:薬師丸ひろ子

 

  • 「ブルーもしくはブルー~もう一人の私~」2003年6月~7月 NHK総合 主演:稲森いずみ

 

  • 映画「群青の夜の羽毛布」2002年10月5日公開 主演:本上まなみ

ネット上での山本文緒さんの評判は、少女小説・一般小説・エッセイと幅広いジャンルで活躍されていて、作風は女性に向けて書かれたものが多い中で、男性読者からの支持も受けている人気作家さんです。

まとめ

「あなたには帰る家がある」は、原作者・山本文緒さんの代表作とも言える人気作品だけに、何度か実写化されています。

発表されたのは20年以上も前の作品ですが、不倫やモラハラ夫など、現代の社会問題にも通じるところがあり、夫婦の形はいつの時代も変わらないという驚きもあります。

原作はかなりダークなイメージですが、今作では夫婦の絆にスポットを当てていて、温かい奇跡という結末が用意されているようなので、若干ソフトなイメージになるのかもしれません。

豪華キャストが繰り広げる”TBS伝統の金曜ドラマ枠らしい大人の群像劇”は今期の期待大の作品になりそうです。

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