2018年4月からスタートした朝ドラ、NHK連続テレビ小説「半分、青い」。
本作は、数々の大ヒットドラマを描いた、北川悦吏子さんのオリジナル脚本です。
視聴率も好評で、毎話いろんな話題で、巷をにぎわせています。
シーンごとに流れる当時の音楽や、テレビ番組、そんな制作陣のこだわりにより、ちょっと昔の記憶を呼び戻された視聴者が毎日ザワついていますね!
「半分、青い」の物語は、東京と岐阜を舞台に、ヒロインの楡野鈴愛(にれの・すずめ)が高度経済成長期から現代を駆け抜けるストーリー。
すずめ役は、若手女優注目度ナンバーワンの永野芽郁(18)さんが務めます。
このすずめ、小学生の頃に片耳を失聴してしまいます。
それを悲観することなく、すずめらしく前向きに、片方の耳が聞こえないことを楽しむ、といった、朝ドラにふさわしい明るいストーリーです。
NHK朝ドラ「半分、青い」
永野芽郁主演、NHK 連続テレビ小説「半分、青い。」メインビジュアルの撮影を担当しました。アートディレクションは森本千絵。北川悦吏子が生み出した生き生きとしたヒロイン「鈴愛」を表現しています。@asadora_nhk
4月2日(月)より、いよいよ放送開始!是非ご覧下さい! pic.twitter.com/kcjRmKHi0d— LESLIE KEE (@lesliekeesuper) March 9, 2018
さて、この“片耳の聞こえなくなる”というすずめのモデルはいるのでしょうか??
目次
「半分、青い」原作は?モデルは誰?
前作「わろてんか」は“大阪を笑いの都に”と夢を抱き、寄席の経営者となって“笑い”をビジネスに成長させた吉本興業の創業者で女性興行師の吉本せいさんがモデルになったストーリー。
https://twitter.com/mta17fy/status/987666155383894017
さらに「半分、青い」のあとに続く、2018年秋からはは安藤サクラさん&長谷川博己さんが夫婦役を演じる「まんぷく」。
こちらは、いまや日本人にとって当たり前のものとなった「インスタントラーメン」を生み出した日清食品創業者の安藤百福(あんどう・ももふく)さん、妻の仁子(まさこ)さんをモデルとしたストーリーです。
https://twitter.com/inmi_kation/status/986976220112809984
「半分、青い」も、バイタリティーあふれるすずめが、3Dプリンターを使い、“ひとりメーカー”として病身の母のためにそよ風のような扇風機を発明する…というストーリーなので、誰かモデルがいそうですよね?
ですが、この「半分、青い」にはモデルはいないんです!朝ドラは、実在の人物をモデルとすることや、戦時下を舞台にすることにヒットの法則があると言われています。
しかし、脚本家の北川悦吏子さんは「でも私は、そういった定石を踏まえないからこそ生まれるおもしろさがあると思っていて」と、モデルのない「半分、青い」を語っています。
そして「好きなように書かせていただいている」とも。
「半分、青い」のアイデアのもとは?なんと…!
モデルがいないとすると、では北川悦吏子さんはどこからこんな脚本のアイデアを得ているのでしょうか。
どうやらそれは、“あえて言うなら”北川悦吏子さんご自身のようです。
北川悦吏子最新作、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」絶賛OnAir中です。 pic.twitter.com/uooTfW8R70
— 北川悦吏子 (@halu1224) April 3, 2018
「半分、青い」の舞台となるのは、岐阜県東部の架空の町・東美濃市梟(ふくろう)町、そしてヒロインのすずめは1971年(昭和46年)。
対する北川悦吏子さんは、岐阜県出身で、1961年生まれ。ご自身が子供の頃に感じたことや経験したことを織り交ぜながら脚本を作りあげており、“すずめは自分の分身みたいなもの”と語っています。
そして2012年には、左耳を突然失聴していらっしゃいます。
病名は「聴神経腫瘍」。
良性の脳腫瘍が聴神経を圧迫し、症状を引き起こしたというのです。
失聴したとき、どうして自分ばかりこんな目に…と思ったそうですが、北川さんはご自身の書かれた「オレンジデイズ」のなかのワンシーンに励まされたとのこと。
それは、柴咲コウさん扮する障がいを抱えるヒロインが「どうして私ばっかりこんな目にあうの?私よりどうでもいいやつ、渋谷歩けば、たくさんいるじゃない?」と言ったことに対して、相手役の妻夫木聡さんの「一生、そうやって“なんで私ばっかり”って言いながら生きていくのかい?」といったセリフ、自らの描いたキャラクターに教えられ、励まされたんだそうです。
こちらも北川悦吏子さんの代表作!ハマった人も多いのでは?

一方、すずめの失聴はおたふくかぜのウイルス「ムンプスウイルス」に感染死、その合併症のひとつである「ムンプス難聴」です。
おたふくというと、高熱が出るなどの症状で知られていますが、そんな症状が出ない人も3割ほどいるとのことで、すずめもそのケース。
「ムンプス難聴」にならない人もたくさんいますが、おたふくかぜ患者のうち約0.01~0.5%に発症してしまうらしいのです。
聴力が自然に戻ることはないとされ、いまでに有効な治療法もない。おたふくかぜを予防するおたふくかぜのワクチンを打っておくことが有益なのだとか。
北川さんは、ご自身が失聴した時に、前述のように当然落ち込みました。
しかし傘をさすと左側だけ雨音が聞こえず、雨が降ってないように感じ、それがおもしろいと思ったのです。
「半分、青い」の冒頭にもありましたが、それがすずめが傘を差しながら空を見て、「半分、青い。」とつぶやく…というとても印象的なシーンになったんですね。
https://twitter.com/asadora_nhk/status/980324062697201664
すずめが発明するものとは?モデルとなった製品は?
では、すずめが発明する“そよ風のような扇風機”とはどんなものなのでしょうか?
さまざまな憶測が飛び交っていますが、個人的には、ダイソンの“羽根のない扇風機”エアマルチプライアーなのでは?と考えます。
さまざまなメーカーが弱風の扇風機を発表していますが、ダイソンの“羽根のない扇風機”が出た時は「すごい発明だ!」と思いませんでしたか??
ただ形が独特でオリジナリティの強すぎる商品なので、羽根のない扇風機を発明した…と謳ってしまうとダイソンから何か言われそうな気もしないでもないですが…。
さて、すずめが発明する母をいたわる扇風機、どんなものが登場するのか気になりますね。
登場まではまだまだ先のようですが、すずめの大発明を楽しみに待ちましょう!
冷たい風どころか、あったかい風まで出るなんですごい…!!

「半分、青い」に登場するあの有名漫画とは?
「半分、青い」の放送前の動画を見て、一部の視聴者がザワついたのも記憶に新しいのではないでしょうか。
それは、くらもちふさこさんの漫画が登場していたから!
すずめは「世界の扉が開いた」と思えるほどの衝撃を受け、少女漫画の世界に飛び込みます。
漫画は80年代を生きた人なら誰でも、と言えるほど日本文化にとって重要なアイテム。
くらもちふさこさんの作品は、豊川悦司さん演じるカリスマ少女漫画か・秋風羽織の作品として登場します。
くらもちさん女性なのに、豊川さんが演じるの…?と思う部分もありますが、くらもちさんの人生を描くわけではありませんし、きっとそこでも北川さんなりの伏線がなにかあるような気がしませんか?
いよいよ次週、第4週「夢見たい!」に秋風羽織先生こと豊川悦司さんがついに登場!このカメラ目線、最高♪( ´▽`) #半分青い #豊川悦司 pic.twitter.com/3u5fwKreV6
— こばる (@kobaru_jp) April 20, 2018
豊川さん扮する秋風羽織はすずめに大きな影響を与える人物とのこと。
編集者泣かせの偏屈な人物で、作品には一切妥協を許さないといいます。
「半分、青い」の中では、「いつもポケットにショパン」、「東京のカサノバ」、「アンコールが3回」といった作品が登場するんだそうです。
制作統括の勝田夏子さんは「鈴愛の青春時代である80年代にも、ドラマを放送している現代においても、常に憧れを抱かせる『ホンモノ』でなければならない」と話し、「北川悦吏子さん、豊川悦司さんも大きな影響を受けた、くらもちふさこさんの珠玉の作品たちを、ドラマの中のパラレルワールドでお楽しみください!」とコメントを寄せています。
豊川さんの演じる少女漫画家も見逃せませんが、現代においても多くのファンを有するくらもちさんの作品がどのようにすずめに影響を与えて行くのか気になりますね!
すずめに限らず影響も受けた人、多いのでは?

朝ドラっぽくない「半分、青い」にかける北川悦吏子の想いとは?
恋愛よりも家族を書くことに恥ずかしさを感じる、と語る北川悦吏子さん。これまでの作品を見ても、当然恋愛ドラマの名手の筆頭ですよね。
しかし、今回は“ホームドラマ”もしくは“母と娘の関係”を提案されたんだとか。
生まれてから小学生を経て、すずめは高校生の恋心を経験していくわけなんですが、恋が中心なのではなく、あくまでもすずめの家族がその中心にあります。
そして、脚本を書き進めていくなかで「恋愛も家族も変わらない。私は人と人とのつながりを書くのが好きなんだ」と改めて感じたと語っています。
さまざまなギミックや冒険心のある脚本ですが、週がわりのサブタイトルは「◯◯したい!」といった感じで、人間の本能とも言える“欲求”を言葉にしたもので統一するというこだわりをお持ちです。
生きる本能や生きる力を描きたいという北川悦吏子さんの想い、「半分、青い」のテーマがそこに表れているのです。
とはいえ、すずめ役のヒロインには永野芽郁さん、その相手役の律には佐藤健さんという、今をときめく2人が共演するわけですから、北川悦吏子さんの描く、ふたりの恋愛模様も見てみたいですよね!
きっと最終的にはそうなるに違いないのですが!
すずめは一度結婚し、子供をもうけ、そして離婚して岐阜に戻ってきます。
戻ってきて、すずめと律の距離がさらに縮まる…ということなのでしょうか。
朝ドラ、オリジナル脚本、恋愛の名手・北川悦吏子、これらの化学反応が15分ずつ描かれる朝ドラにどんな“発明”を生み出すのか、今後の展開から目が離せませんね!