最近、子供に対して過干渉で過保護な親のことを指す毒親というワードをよく聞きます。
特に母親に多いようなのですが、ドラマにおいてもこの毒親がテーマになっているドラマが増えてきているように思います。
2017年夏期クールに放送されたドラマ「過保護のカホコ」では、黒木瞳が見事に演じきって話題になりました。
今回、現在放送中のドラマ「明日の約束」で井上真央演じる藍沢日向を追い詰める2人の毒親について深く掘り下げてお話ししたいと思います。
まず1人目は、主人公の母親役を演じるベテラン女優手塚理美。そして2人目は、ドラマでコミカルな演技からシリアスな演技までを演じ分ける仲間由紀恵。
この毒親を演じる二人の演技がまるでホラー作品のような怖さで、
ドラマの見どころの一つになっています。
主人公の母親役を演じる手塚理美の感情ジェットコースターが怖い
毎回ドラマのエンディングに流れる、主人公・日向の少女時代。
そこでは母親との交換日記の内容が描かれているのですが、これがじわじわ怖いです。
交換日記と聞けば、母娘の微笑ましいやりとりのように思えるのですが、その内容が日向の友人や異性との付き合いや、所有物に対する干渉、さらには自分の理想の娘像の押し付けといったように観ているこちらの息がつまりそうな内容なのです。
交換日記の内容を読み上げる穏やかで優しい手塚理美の声がさらに恐怖をあおります。
成人した日向にとっても、母親は子供のころと変わらず接します。
大人になっても、言いたいことを飲み込み、感情を表に出さないよう穏やかなふりをして振る舞う日向は、これまで母親から何度も傷つけられながら育った証拠。
母親に対してすっかり萎縮してしまっているのです。
冒頭で触れた、「過保護のカホコ」では、主人公のカホコは母親に一事が万事聞かなければ自分で判断できず、その日の服装すら決められない、父親にお願いしてばかりで一人で対処できない女性として描かれていました。
「明日の約束」の主人公日向は、感情の起伏が激しく、平気で娘を傷つける母親を嫌いながらも、なぜか母親から離れられない女性として描かれています。
日向が母親から離れられないのには、ドラマ作中で時折触れる日向が起こした反逆という過去が根底にありそうですが、まだ明らかにされていません。
日向の彼が登場したことで、母娘の溝が一層深まるのでは!?と注目していましたが、その工藤阿須加演じる彼氏にも、心の闇があったことが先日の放送回で判明しました。
好青年役を演じることの多かった工藤阿須加でしたが、今回もそうなのかと思い、少し物足りなさを感じていたのですが…。
カホコのママは過保護すぎて子供を赤ん坊のまま大きくしてしまったし、オカムスは子供が就職しても言いなりのままだったんだけど、明日の約束は殺し損ねてそこから逃げたのにまた絡めとられてる恐怖が手塚ママンを毒親最終形態にしてるみたいな強さがある
— 蒼兎 (@manea31) November 29, 2017
昨日の「明日の約束」衝撃的すぎた…カズよ、なぜ…汗汗 それにしても、仲間由紀恵さんと手塚理美さんの毒親演技が神掛かって上手すぎる!ほんと、怖いもん。
— ずわいがに (@cua_ngon) November 29, 2017
明日の約束。ここにきて、過干渉の毒親を描くだけでなく、無関心の親に愛を求める子供も描くのかと気づく。構造が巧みだ。工藤阿須加がまさかのDVっけとは。髪の毛掴んでってのは完全にアウト。心を削られまくる井上真央。一刻も早く工藤と別れて家を出ることを勧めたいんだけど、それは難しいの?
— 吉田潮 (@yoshidaushio) November 29, 2017
毒親の元で育った辛さを、一番受け止めて欲しい人に受け止めてもらえない
これほどの絶望があるだろうか
たった1つの光だと思っていた人が、暗闇に変わる
— natu (@natu9797) December 1, 2017
今秋ドラマ『明日への約束』がやばいw 学校のいじめ、モンペ、アダルトチルドレン、毒親、マスゴミなどもう一滴の水すら入らない胃袋に、DVという名のポンドステーキぶっこんできたwwwww
— 黒薔薇 (@smile_xxx) December 3, 2017
日向に暴力的行為を働いたことで、今後母親が二人の結婚を反対することが予想されます。
毒親は毒親なりの方法で、娘を守るために、婚約者となった彼氏に対決するのではないでしょうか。
それを見た日向は母親に対し何を思うのか。
母から抑圧されて育った日向が選んだスクールカウンセラーという職業にも口出しして、ことあるごとに叱責する母親。
ゆがんだ母娘関係の今後の行く末が気になります。
モンスターペアレントぶりが止まらない仲間由紀恵の暴走
このドラマに登場する第二の毒親を演じるのは、主人公の日向がスクールカウンセラーを勤める高校に通う息子の母親役として登場する仲間由紀恵。
最近仲間由紀恵がドラマで演じるのは、素性が知れないミステリアスな人物や、主人公を陥れようと画策する異常な人格を持った人物が多いように思います。
彼女独特の落ち着いた話し方と、その整った顔立ちから、こわい女性という役柄が非常にマッチングして、不気味さが引き立つので、その演技には思わず引き込まれてしまいます。
このドラマで仲間由紀恵が演じる吉岡真紀子は、夫が教育委員会に在籍しているのをいいことに、昔からことあるごとに些細なことで学校側に抗議をしまくっています。
そのような中で、真紀子は溺愛していた一人息子が自殺するというショッキングな事態に対面し、学校側にさらに深い不信感を抱くようになるのですが、日向たちが自殺の原因を探るうちに真紀子の毒親っぷりが、どんどん明るみになってきます。
息子の自殺理由が息子の所属していたバスケットボール部や、学校のクラス内でのいじめにあったと信じて疑っていないのです。
自らマスコミにリークし、学校側のいじめの隠ぺいを問題沙汰にし、関わった学校関係者を片っ端から訴えようと弁護士に相談し、挙句の果てには、息子と仲が良かったバスケ部の先輩に息子の携帯電話から「先輩のせいで自殺します」とラインで送ったり、もうやりたい放題です。
仲間由紀恵の毒親ぶりも、半端ない。#明日の約束
— こまち (@Komachi36) November 28, 2017
https://twitter.com/19maoxjun83_luv/status/935454859783897088
https://twitter.com/ojyout/status/933499771364392961
自分の愛してやまなかった一人息子が、学校の兎殺しの犯人とされ、幼馴染の復讐のために人を傷つけたかもしれないというのに、真紀子はそんなことは露ほども知らないのです。
息子のことをしっかりと見ているようで、でも、息子の心の闇に気づけなかった母親。
真紀子の自分の育て方や家庭内に少しも問題点や落ち度がなかったと信じて疑わない点が観ていて非常に痛々しいです。
インターネット上の誹謗中傷の書き込みを血眼になって一心不乱に読み続ける姿は、息子を失った悲しみを誰かのせいにせずにはいられない、あわれな母親にしかうつりません。
このインターネットの書き込みについても、関係者によるものではないかとにおわせるシーンもちらほらありますが、真相のほどはいかに!?
まとめ
秋ドラマも残す放送回数がわずかになってきて、物語が佳境に入ってきたところですが、「明日の約束」も御多分に漏れず、急展開を迎えようとしています。
真紀子の息子であり、日向の学校の生徒であった圭吾の死の真相は?
日向は彼氏・本庄の素顔を知っても結婚するのか?
気になる母親との関係は今後どう変わっていくのか?
そして、子供を思う気持ちを、ゆがんだ形でしか表現できない2人の母親に挟まれて、主人公・日向は今後どのように彼女たちに対決していくのか?
自分の子供を、理想の娘・理想の息子像の枠に押し込めようとする母親たち。
その枠からはみ出そうとする子供を決して許さず、認めない毒親。
最終回まで目が離せません。
2人の名女優による毒親演技対決の行方も見守りたいと思います。
https://twitter.com/mi_chan19971011/status/933000972720148482