今回はみんなの秘密が一気に露呈した感じでした。
きっかけは、奈々(深田今日子)が朔(北村匠海)と渉(眞島秀和)のキスシーンを目撃してしまったことですが、隠すことなく堂々と暴露した朔は、とても男らしいと感じました。
そして、奈々もまた、ちひろ(高橋メアリージュン)に不妊治療のことを包み隠さず話し、それに触発されたちひろも自分の状況を奈々に打ち明けます。
現在のところ、他の家庭の事情を把握しているのは奈々と大器(松山ケンイチ)だけという感じですが、ふたりの偏見を持たない人柄がそうさせるのかもしれません。
大器が朔のことを誤解して喧嘩を売ったり、多少のいざこざはありましたが、前回ダメダメだった大器が別人のように完璧な夫になっていたと思います。
次回は不妊治療を巡って、お互いの母親が干渉してくるようなので、波乱の予感しかありません。
今度こそ奈々が妊娠できるのか、ちひろは本当に亮司(平山浩行)と別れてしまうのかなど、まだ気になる要素も満載ですが、今回は子供を欲しい夫婦と、いらないカップルという、対照的な二組の動向に注目したいと思います。
朔が結び直したふたりの絆
前回までの大器は、どこか自分勝手というか、無理やり不妊治療に付き合わされているというオーラが全開でした
そして、焦りと不安でどんどん病んでいく奈々の気持ちを汲み取ってあげようともしない態度に、かなりイラッとさせられました。
それが今回、ついに奈々の逆鱗に触れてしまったような気がします。薬を飲みすぎじゃないかと指摘すればムッとされ、お弁当を残したことに激怒されたり、夜中に帰ってきて、無理やり奈々に迫ろうとしてベッドから突き落とされたりと、ちょっと不憫だと思う部分もありました。
ですが、何だかわからないけどやたらイライラして、つい夫に八つ当たりしてしまうという気持ちはとても共感できました。人をコントロールするのはとても難しいことだし、普通なら夫のほうも逆ギレして大喧嘩に発展しそうなところです。
でも、自分の非を認め、きちんと反省できるところが大器のいいところでもあります。
そのことに気づかせてくれたのは、朔だったような気がします。
相手のことが大事だから嫉妬もするし、不安になってしまう。だから衝動的に朔に殴りかかろうとした大器を怒るわけでもなく、逆に「ラブラブだね」とふたりの微妙な空気を修復しようとします。
この朔の言動を見て、自分も見習わなければと思ったのかもしれません。
それからの大器は別人のようでした。妊娠が勘違いだったとわかって落ち込む奈々を御胎内神社に連れて行ったり、お好み焼きを作ってあげたり、「たまには全部忘れてビール飲む」と、色々我慢してきた奈々に気遣いを見せました。
そんな大器の優しさに緊張の糸が切れたのか、奈々は自分の思いを吐き出しました。
琴音(伊藤沙莉)の初めての胎動を一緒に喜んであげられなかったこと、不妊治療を始めてから自分が嫌な人間になっているような気がして辛いということ。
この台詞に込められた、当事者にしかわからない苦悩がリアルに伝わってきました。
「いいんだよ、奈々。いいところも悪いところもあるのが人間ですよ。琴の妊娠喜べなくて当然だって。向こうは作る予定もなかったのに、何の苦労もなく妊娠してさ、こっちはこんなに苦労して頑張ってんのにできないんだからさ。それで喜んでたら、お人好し通り越してバカだよ」
「だったらバカのほうがいい」
「大丈夫だよ。いつか俺達のところにも絶対来てくれる。だって、こんなに待ちわびてんだから、来ないわけないじゃん。来なきゃ損じゃん」
「うん。早く来ないかな」
「来るよ」
このやりとりは、今回一番印象に残りました。大器もやっと奈々と同じラインに立ってくれたような気がして、とても心があたたかくなりました。
やはり、このふたりは理想的な夫婦だと感じました。
隣の家族は青く見えるの松山ケンイチが最高すぎて泣いた
— たごしりな (@L2n8A) February 2, 2018
https://twitter.com/shounan7351/status/960382228294332417
隣の家族は青く見えるの
松山ケンイチが
ちょっと神すぎる件。
あんな旦那さんがイイ!!!!— MIYA (@Konan384869) February 1, 2018
相容れない亮司とちひろの価値観
一方、亮司とちひろは、亮司の息子を巡って激しい口論になってしまいました。
ここでは、”口に出さなくても気持ちを察してほしい女”と”自分の中だけで結論を出してしまい話し合う余地もなくそれを押し付けてしまう男”という、男女の価値観の違いがよく現れていたと思います。
喧嘩っ早いちひろの性格から結論を急ぎすぎた感じもありますが、「事情が変わった。父親としての責任がある」の一点張りで、手のひらを返したようにちひろの気持ちをないがしろにする亮司は、かなり無責任だと思いました。
そもそも、ちひろに前妻の子供がいることを黙っていたり、嘘をついてこそこそ会っていたという行為自体が彼女にとっては裏切りだし、謝って済むと思っているところが更にイラッとさせます。
ちひろのもやもやする気持ちは、奈々に打ち明けた言葉に全て詰まっていると感じました。
「今回のことは不可抗力だし、亮司の中に子供を選ばないっていう選択肢がないこともわかってる。でも、あたしを説得するわけでもなく、あっさり結婚を諦めちゃったのがショックでさ。ま、要するに、その程度の女だったってことだよ。失いたくなかったら、
必死になって説得するはずだし、そこまで愛されてなかったってことだよね」
この、”頭では理解しているけど、感情がついていかない”というちひろの悲痛な叫びに、奈々は全く逆の見解を示しました。
「愛してるからじゃないかな?だって、ちひろさんが子供を持ちたくないってことを川村さんは誰よりも理解してるんでしょ。ちひろさんのことを思うからこそ、別れを選んだんじゃないかな。好きな人に無理させることほど、辛いことってないと思うから」
ちひろはずっと自分が被害者だという考えに囚われていて、突然元妻の訃報を知って混乱する亮司の気持ちを理解しようとしなかったところがあります。
そこに、相手には察して欲しいけど、自分は空気を読めないという女性特有の矛盾があると思いました。
亮司の子供と同居するということは、自分の子供を一生持たないというポリシーを曲げることになるので、決断するには相当な覚悟とエネルギーが必要だと思います。
自分の意思を尊重するのか、愛する人を選ぶのか、ちひろの決断が気になります。
隣の家族は青く見える、私がけっこう好きのが、ちひろさん。思ったことをしっかり言えて、相手の意見は尊重している。引き際が、分かりすぎて切なかった
— はるはる (@atama_no_ue) February 2, 2018
隣の家族は青く見えるのちひろさん、ほんと見た目に反して良い人
— ∠かな (@choco0810kana) February 2, 2018
まとめ
今回の3話では、女心の複雑さが特に際立っていたような気がします。
それぞれの人物が自分の弱点を潔く他人に晒す姿は、とても尊いものに感じられました。
今後、朔と大器、奈々とちひろは、より親しい間柄になれるような気がします。
次回は出産・子育てを巡っての親世代との価値観の違いが浮き彫りになりそうなので、嫁姑間の壮絶なバトルが起こらないことを願うばかりです。